2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧
殺人のないロマンス小説はもしかすると初めてかもしれません。 リンダ・ハワード 『瞳に輝く星』 瞳に輝く星posted with リンダ・ハワード 米崎 邦子 ハーレクイン (2003/07)売り上げランキング: 96,660Amazon.co.jp で詳細を見る 何故原題の"Heartbreaker"…
売れっ子のアンティーク鑑定士の主人公が、不審な点のある死を遂げた老女の遺品の中から、あまりにも彼女の人生に見合わない高価な銀食器を発見したことから物語りは始まります。 その銀食器をオークションに出品するためにニューヨークニューヨークへ向かっ…
随分長いこと平積みされていたのと、帯でパトリシア・コーンウェルの名前があったので、何となく。
おそらく、これを読む読者層の多くは、今更クリスティ作品のネタバレがされても気にしないか、(特にネイティブの読者は)映像やそれこそ舞台などでも既知なのかもしれませんが、作中で思い切り『検察側の証人』や『オリエント急行殺人事件』のネタバレあり…
冒頭から、女が恋人を工作用ドリルで壁に打ち付けて殺してしまうというショッキングな事件で幕を開けますが、さらに崇高な革命を掲げるテロリストとの戦いへと、これまでになく物語の風呂敷が広げられています。 30年前に起こされたテロを再現するような事件…
シリーズもこれだけ続くと中だるみしそうなものですが、それなりのテンションを保っているあたり、コンスタントにベストセラーを出し続けている作家の底力なんでしょうね。 健康状態の悪い、放って置いてもそう長いこと生きられないようなホームレスが、極め…
"BY THE WAY"のようにガツンと来る曲は無いですが、その分聴きやすいし、聴けば聴く程耳に馴染んでくる曲が多いアルバム。嫌いじゃありません。 ただ、4年ぶりのアルバムでいきなり2枚組み28曲入りデジパックというのも極端ですねぇ。
犯人にされたくない パーネル ホール Parnell Hall 田中 一江 早川書房 (1990/12)売り上げランキング: 212,694Amazon.co.jp で詳細を見る 前作で危険ばかりで冴えない探偵業とはオサラバしたはずの主人公ですが、息子が私立の幼稚園に入ってしまったためにま…
リンダ・ハワード 『くちづけは眠りの中で』 スパイ物ということで、これまで読んだリンダ・ハワード作品とは少し雰囲気が異なり、主人公は『ニキータ』(アサシン)のヒロインのような張り詰めた雰囲気を持っています。CIAの契約エージェントの主人公は、親…
「きっかけなんて、大抵はつまらない偶然なのよ」という台詞をきっかけに出会った主人公二人の、日常の謎系ミステリであり、恋愛小説。 全編優しくて繊細で綺麗な雰囲気の中に、ほんの少しだけ混じったほろ苦さの加減が何とも著者らしい連作短編集です。ただ…
これまで読んだリンダ・ハワード作品の中では、サスペンス的には最も成功した作品ではないでしょうか。 ひょんなことでテレビに出演した女執事を手に入れるために、異常な執着と身勝手な妄想を抱くストーカーの不気味や異常性というものが、実に良い存在感を…
実在する歴史上の人物や出来事を絡めて、壮大な謎解きを展開するという種の作品は数多くありますが、作中で広げられる風呂敷の大きさ、ハッタリのスケールでは、おそらく本作は群を抜いているのではないでしょうか。 自らロマノフ王朝の最後の皇女、アナスタ…
小森健太郎 『グルジェフの残影』 文春文庫 パトリシア・コーンウェル 『検屍官』 講談社文庫 ついに手を出してしまいました。パトリシア・コーンウェル。 今年の年末までに既刊の全てを読み切るのは難しい気はしますが・・・。
リンダ・ハワード 『見知らぬあなた』 短編集 『ブルームーン』『夢のほとり』『白の訪問者』の3篇収録。 最後の『白の訪問者』のみ、割と普通のサスペンスの設定ですが、作中で保安官助手を名乗る男の着ていた服についての疑問点が、今ひとつ最後まで明確…
バークリーの処女長編である本作ですが、探偵小説の黄金期辺りに書かれた作品であるにも関わらず、「名探偵」という存在をどこかシニカルに見据え、コミカルに描き出すという独自のスタンスの見られる作品。 通常であれば、神の視点を持つ如く描かれる「名探…
久々に積んだ冊数が二桁に。
正しい読者にとっては笑うところじゃないのは百も承知ですが、普通に吹きました。人から借りといてスミマセン。 「きみは甘い香りがする。甘い味もね。きみを感じることは甘い拷問だ。君の名前はディオンヌじゃなくてシャンパンのほうがよかったかもね。なぜ…
アントニイ・バークリー 『レイトン・コートの謎』 国書刊行会 シオドア・スタージョン 『輝く断片』 河出書房新社 日日日 『狂乱家族日記 壱さつめ』 ファミ通文庫 桜庭一樹 『GOSICKs』『GOSICKsⅡ』 富士見ミステリー文庫 東京国際ブックフェアに出掛けたの…
シリーズ最終作の本書は、シリーズの短編3編が収録されています。 まずはカドフェルがシュルーズベリの修道院に身を寄せることになるきっかけとなる事件を描いた『ウッドストックへの道』。 次が第1巻『聖女の遺骨求む』よりも少し前の話に当たる『光の価…
エリス・ピーターズ 『修道士カドフェルの出現』 光文社文庫 ジェイニー・ポライソー 『容疑者達の事情』 ハヤカワ文庫 パーネル・ホール 『犯人にされたくない』 ハヤカワ文庫 加納朋子 『掌の中の小鳥』 創元推理文庫 島田荘司 『ロシア幽霊軍艦事件』 角川…
作家アリスと犯罪学者火村のシリーズの、『マレー鉄道の謎』以来4年ぶりの長編。さらにはこのシリーズでは初の孤島もの。 著者お得意のクローズド・サークルものですが、同じ孤島もので学生アリスのシリーズの『孤島パズル』に比べると、パズル性の面では薄…