2011-08-03から1日間の記事一覧

2011年読了冊数:46 積読:?

いつの間にか読んだ本を貯めてしまっていたので、またしても一部は覚書だけ。 さて。 7月は、1泊ですが北海道に旅行に行っていました。 昨年のオープンからずっと行きたかった「太陽の森 ディマシオ美術館」がその目的です。 日高本線の新冠という駅から車…

 雪乃紗衣 『彩雲国物語 紫闇の玉座 上/下』

シリーズ最終作。 ライトノベルとは思えないほどの厚さの文庫2冊分、ややご都合主義は透けて見えますし、最後は無理矢理に帳尻合わせに詰め込んだ感もあります。登場人物によっては、信念にブレがあるようにも読めてしまったり、また、シリーズの序盤から中…

 J・D・ロブ 『学びの園に葬られ イヴ&ローク25』

犯人像が明確に浮かび上がるまでの過程は長いものの、その緻密な積み重ねの成果で、意外な犯人、さらには犯人の異常性が長いシリーズ中でも際立たせることに成功している一作。

 麻耶雄嵩 『メルカトルかく語りき』

かつてこんなに極悪なシリーズ探偵がいたか、というくらい極悪非道な「銘」探偵メルカトル鮎の短編集。 ロジックに破綻はないけれども、人間として、そして職業探偵としてはメルカトル鮎という探偵が明らかに破綻している辺りが魅力でもあり、読者を選ぶとこ…

 福田和代 『リブート!』

二つの銀行が統合し、そこのシステムに起こる原因不明のサーバーエラー。深夜にその報告を受けたエンジニアの横田は、何とか復旧作業を行うものの、その後も次々に誤動作やタイムアウトが発生します。 エンジニアたちがシステムに起こるトラブルに対処すると…

 小路幸也 『僕たちの旅の話しをしよう』

山奥に住む少女が飛ばした風船に付けた手紙は、東京に住む三人の同年代の少年少女に届きます。そこから文通が始まり、都会に住む三人は夏休みに山奥の少女の家へ遊びに行く計画を立てるのですが…。 風船に手紙をつけて飛ばした山奥に住む少女を介して結びつ…

 上橋菜穂子 『天と地の守り人』

ロタ王国編、カンバル王国編、新ヨゴ皇国編の3部構成で描かれる、守り人シリーズ完結編。 強大な力を持ち大陸に侵攻を進めるタルシュ帝国に対し、近隣の国との同盟の必要を訴える新ヨゴ皇国の皇太子チャグムですが、皇帝やその周囲はあくまでも自国には絶対…

 神林長平 『戦闘妖精・雪風(改)』

自ら思考し、進化して次第に人間を必要としなくなる機械と「人間性」という、SFでは決して新しくないテーマを用いつつ、世に出てから20年近く経ってもいまだに古臭くない作品

 三津田信三 『生霊の如き重るもの』

刀城言耶シリーズの短編集。 大学生時代の刀城言耶が行き会う、様々な不可能状況で構成された事件と怪奇の物語。 怪談めいた事件の論理的な解明は非常に鮮やかで、各編とも奇想に溢れています。中にはやや、最後に残す謎が付け足しめいているように思えるも…