読了 借り物

 菅野彰&月夜野亮&雁須磨子 『ベトナムよちよち歩き』

女性作家二名と女性漫画家1名の、旅行エッセイ本。 とはいえ厳密に旅の雰囲気をどうこうと言うよりは、気心に知れた女同士が旅行に行って色々と日本とは異なった文化や習慣に触れた紀行文という雰囲気。 それなりに読みやすいし面白いですけれど、今時は個人…

 菅野彰 『不健全な精神だって健全な肉体に宿りたいのだ』

20代の終わり、本書の著者で作家の菅野彰氏がまず雑誌の企画で「結婚への道」を模索して、占いをしたり高級エステを体験したり、念をこめて水晶を埋めに行く日を選んだり、京都の縁結び関係の名所へ足を伸ばしたりと、雑誌編集者とともに様々な体験をはじめ…

 3冊

前田栄 『その気もないのにお宝探し』『その気もないのに海賊稼業』『その気もないのに皇帝陛下』「海神の冠」という秘宝が神殿から持ち出されたことで、珠樹は巫女だと名乗る少女にのろいをかけられますが、彼は全くの無関係。ですが、年若い叔父の駿ととも…

 3冊

喬林知 『今日からマ王!?』 瑞山いつき 『スカーレット・クロス―月蝕の復活譚』 前田珠子 『天を支える者3』 続き物の短編集と、最終話とか。マの方は、相変わらず妙なテンションですが、そういえば本編で埋まったまま生死不明の人はどうしたんだろうと、改…

 ダイアナ・ガバルドン 『時の彼方の再会Ⅰ〜Ⅲ アウトランダー7〜9』

18世紀のスコットランドに残して来た夫、ジェイミーはカローデンの戦いを生き延びていた――その事実を突き止めたクレアと娘のブリアナ、そして若き歴史学者のロジャーはジェイミーの足取りを辿ります。カローデンの戦いで離れ離れになってからの20年の足跡を…

 槙ありさ 『瑠璃の風に花は流れる 黒の王太子』

弟の立太子式を離宮で待ち望んでいた「光の王女」緋奈ですが、突然国を制圧した隣国の王子によって許婚とされ宮殿に連れ去られてしまいます。 良くある和製の漢字ファンタジー作品ですが、国と国との間で起こる係争や、政治的駆け引きを出てくる筋であるにも…

 金蓮花 『とこしえの薔薇―銀朱の花 ブノス異聞』

同設定世界で時代や舞台を変えて書き続けられているシリーズの『銀朱の花―夢の誓い』の番外編。前作の主人公の周辺の人物の話であるのに、スピンオフではなくてあくまで番外編としか言いようの無い弱さはありますが、シリーズ通して読んでいるのであればこれ…

 高遠砂夜 『聖獣王の花嫁』

この種のファンタジーとしては世界観も一応構築されているものの、残念なことに序盤での説明がやや不足気味な印象も。もっとも続きがあるようなので、シリーズ幕開けの1冊としてはバッチリ導入部の役割は果たしているのでしょう。 1冊単独でもそれなりに読…

 シャロン・サラ/カーラ・ネガーズ/ヘザー・グレアム『ミステリー・イン・ブルー―危険な饗宴』

三人の人気ロマンス作家の海辺を舞台にしたロマンチック・サスペンスのオムニバス。 シャロン・サラ 『溺れた人魚』 犯罪組織に潜入していた麻薬捜査官のケリーは、以前彼女が刑務所送りにした男によって正体をばらされ、危うく組織のボスのドミニク・オルテ…

 エリザベス・ローウェル 『三つの死のアート』

無名の画家だった祖父から残された絵を、レイシーは有名な女流画家であるスーザの鑑定に出すことに決めます。世に埋もれた祖父の才能を再評価する機会を得たいと願っていたレイシーですが、スーザが絶賛した祖父の絵には秘密があることに気付き始めてしまい…

 ダイアナ・ガバルドン 『ジェイミーの墓標1〜3 アウトランダー4〜6』

1968年、夫フランクの死後、クレアは19歳になった娘のブリアナを連れて再びスコットランドのハイランド地方を訪れます。そして歴史学者の卵のロジャーに、かつて時間を越えて出会った男達がジャコバイトの乱でどうなったのかを調べて欲しいと頼みます。そし…

 結城光流 『少年陰陽師』 5冊

十二神将の紅蓮を助けるための西国での戦いを終えた昌浩は、その代償として陰陽師として大切な見鬼の才を失い、また、傷付いた紅蓮の記憶を封印することで、紅蓮との間にあった絆が失われてしまいます。心身ともに傷付いた昌浩ですが、滞在する出雲での怪異…

 榎木洋子 『黒の騎士 ダークローズ・プリンセス』

幼い時に家族と死別した少女、真夜は、「混沌の夜」という世界から契約によって呼び出した騎士レイヴェンと死んだ叔父のイーサンの霊に守護されて、日本で暮らしています。彼女には大きな力が秘められており、それを狙う魔物が次々に現れるのですが――と、ど…

 クリスティアーヌ・ヘガン 『まどろむ夜の香り』

有名な賞を受賞したことで刑務所のTVに映った女性シェフ、アビー・ディアンジェロを見て、彼女の義理の弟のイアンはアビーに金をせびることを思いつきます。28年前にアビーの母親が人を雇うことで、再婚相手であったイアンの父親を殺したと告げるイアンは、…

 アン・スチュワート 『水辺の幻惑』

水辺の幻惑 このところアルツハイマーが始まったらしい母親と、奔放過ぎて刺激の多い都会で暮らすことに問題のある妹の面倒を見ながら、ソフィーはヴァーモントの田舎町で小さなホテルを開業する準備を進めています。平穏な暮らしを望むソフィーですが、ある…

 ローズ・コナーズ 『霧のとばり』

ケープコッドの海沿いの町チャタムで、1年前のメモリアル・デーに起こった殺人事件の裁判の有罪判決を、女性検察官マーティ・ニッカーソンは勝ち取ろうとしていました。ですが被告は山ほどの前科を持つ男で証拠や証言もあるのに、弁護士のハリーは彼の無罪…

 結城光流 『少年陰陽師』(8冊)

とりあえず長らく借りていた分を消化。 このシリーズもまだあと10冊くらいある(しかもまだ終わっていない)らしいですが、区切りごとにまとめて貸してもらえるのは有難いです。登場人物の数もそこそこ多いのですが、新しい登場人物を出すタイミングが良いの…

 キャンディス・キャンプ 『裸足の伯爵夫人』

好きな相手のいる姉の代わりに自分と結婚して欲しいと、名家の令嬢のチャリティは伯爵であるサイモンに直談判をしに自ら出向きます。そして恋愛ではなく実利に基づいた結婚であったはずですが、幸運にも二人は互いに好意を持つことが出来ました。 ですが、最…

 金蓮花 『銀朱の花』

もはや以前読んだこのシリーズの誰が誰だかタイトルと登場人物名も一致していないのですが、とりあえず「ああ、この主人公のは読んだな」程度の記憶は残っていました。 同設定の世界で時代を変えることで確かにこの世界の歴史の流れは分かりますし、それぞれ…

 キャンディス・キャンプ 『初恋のラビリンス』

19世紀のイギリス、没落貴族の令嬢として生まれたアンジェラは、恋人だったキャメロンと酷いやり方で別れさせられた挙句に経済援助目的で好きでもない男のもとへと嫁がされます。それから13年が過ぎ、離婚により地獄のような結婚から解放されていたアンジェ…

クリスティ・ティレリー・フレンチ 『凍える瞳』

凍える瞳 人里はなれた山奥の土地で動物たちと暮らしていたガースは、厩舎で血まみれの女性が倒れているのを発見します。彼女は警察からマークされている犯罪組織のボスの妻のケンドラであり、夫の暴力によって流産したばかりでした。元警官のガースは、ここ…

 リンダ・ハワード 『夢のなかの騎士』

考古学者のグレースは、自分の勤める財団の理事長とその手下らしき男が、夫と兄を殺す現場を目撃してしまいます。グレースの犯行と見て彼女を追う警察の他に、財団の手の者がグレースを亡き者にしようと追って来るのを、彼女は必死で防ぎつつ逃亡生活に身を…

 テリー・ヘリントン 『フラッシュバック』

フラッシュバック ロマンス小説の中にも、いわゆるタイムトラベル物というのはそれなりにあるらしく、ダイアナ・ガルバトンのアウトランダー・シリーズ以外にも本作など、きちんとハーレクインの世界でもカテゴリとして成立しているようです。 カメラマンの…

 前田珠子 『天を支える者―古戀唄5』

もう本編に当たる部分の既刊と4巻目までは返してしまった後ですし、印象としては薄いので記憶は曖昧ですが、この過去編に関しては、特に終盤のバランスが些か悪いという印象。 序盤の幼少期から思春期にかけて、要するに出会いから恋をする課程までは比較的…

 雪乃紗衣 『彩雲国物語 紅梅は夜に香る』『彩雲国物語―緑風は刃のごとく』

常用漢字の範囲を大幅に超える漢字ファンタジーのツライところで、どうにも登場人物の名前が覚えられない(あるいは1冊読み終わるとすぐに忘れてしまう)もので、名前と存在が一致しない登場人物が前からいたのですが、今期のシリーズではまた大量に新たな…

 リンダ・ハワード 『危険な駆け引き―愛と勇気のマッケンジー家』

マッケンジー一家のシリーズの最終作。 諜報機関で仕事をする、マッケンジー一家の養子のチャンスは、ずっと追ってきたテロリストに娘がいたことを初めて知ります。そして、テロリストの情報を得る為に、罠を張ってサニーというその娘に近づきますが――。 当…

 『シーズン・フォー・ラヴァーズ―クリスマス短編集』

(リンダ・ハワード/へザー・グレアム/ペニー・ジョーダン) クリスマスをテーマにした、3人の人気ロマンス作家の短編を集めた1冊。 リンダ・ハワード 『マッケンジーの娘』 ウルフ・マッケンジーとメアリの末っ子で唯一の女性であるメアリスの物語。 脳震…

 リンダ・ハワード 『愛は命がけ―愛と勇気のマッケンジー家』

マッケンジー一家のシリーズの3作目ということで、だいぶ人間関係は既存シリーズを引き摺っているので、これ単品で読んだ時には微妙な箇所も出てくるかなという感じもします。 とりあえず以下の台詞の原文はどうなっているのかという、非常にどうでも良い疑…

 リンダ・ハワード 『熱い闇』

新型戦闘機の開発の為のレーザー技師として民間から基地に配属されたキャロラインは、男性に対して免疫のないことを、空軍でこのプロジェクトの責任者を務めるジョー・マッケンジー大佐に指摘されます。その上で、若く魅力的な女である彼女が基地内で厄介ご…

 リンダ・ハワード 『マッケンジーの山』

ワイオミングの田舎町ルースに赴任してきたハイミスの女教師であるメアリーは、成績が抜群なのに不登校のジョー・マッケンジーの存在に気付きます。教師としての理念を持つ彼女は、ジョーが学校へ戻るようにと説得するためにマッケンジー家を訪れ、ジョーの…