読み終えてまず、何故このタイトルなのだろう？と。
確かに婚約者との愛情と疑惑に揺れる主人公というのは、ラストまで引っ張られてはいるんですが。
密室トリックは古典的と言えば古典的で、現代の読者にはあまり目新しいものではないですが、密室トリックだけに頼らないストーリーテリングと、トリックの組み合わせもあって、その必然性や動機に関しても十分に納得出来るものでした。
しかもこれだけ陳腐な密室トリックを使っているにも関わらず、そこに仕掛けられたミスディレクションには見事に引っかかってしまいました。最後に明かされる犯人に関しても盲点であり、シンプルながらもカーの良さの出ている１冊ですね。
