桜庭一樹 『GOSICK Ⅳ ゴシック・愚者を代弁せよ』

GOSICK (4) ゴシック・愚者を代弁せよ 富士見ミステリー文庫
 数十年前に国の植民地政策に関与するほどに力を持っていた仮面の錬金術リヴァイアサンの謎ということで、現在生きているのか死んでいるのかも分からない錬金術師の正体と、彼にまつわる謎を解くという、粗筋を見ただけでワクワクしてしまう1冊です。
 ヴィクトリカによって明らかにされる錬金術師の謎は、20世紀初頭の近代ヨーロッパの歴史の流れの中でなるほどなと思わされる真相でしたし、同時に物語の本筋であるヴィクトリカを中心にこれから動き出そうとする"闇のヨーロッパ史"への伏線も楽しめました。