リンダ・ハワード 『Mr.パーフェクト』

Mr.パーフェクト
 同じ会社で働く女友達4人のグループは、お遊びで「完璧な男」のリストを作ります。ですがそのリストがひょんなことから会社の社内報に載ってしまい、あれよあれよという間にマスコミにまで広まってしまいます。
 4人のうち夫や恋人のいる友達は、そのリストのせいでパートナーとの関係は上手く行かなくなり、挙句に殺人事件まで起こりますが――。

 まず、いくら平和で暇な町だろうと、こんなリストがここまで大々的に話題になることはないだろうとか、少々話の展開が突飛な部分が気になりはしますが、事件の犯人の人物造詣に関しては非常に上手いと言えるでしょう。
 犯人が誰なのかというフーダニットや動機の一部に関しては、伏線が割と分かり易いために事件のかなり最初の段階で予想はつきますが、終盤で明らかになる部分で動機の部分に説得力が出てきます。

 ただ和訳には苦心したせいなのでしょうが、ヒロインの喋りが少々日本語のニュアンスだと、「悪態をつく」というよりは単に下品でガサツという印象を受けてしまう辺りが微妙かもしれません。