前田珠子 『天を支える者―古戀唄5』

天を支える者―古戀唄〈5〉
 もう本編に当たる部分の既刊と4巻目までは返してしまった後ですし、印象としては薄いので記憶は曖昧ですが、この過去編に関しては、特に終盤のバランスが些か悪いという印象。
 序盤の幼少期から思春期にかけて、要するに出会いから恋をする課程までは比較的丁寧に書かれていたのが、終盤の政治の駆け引きやら陰謀との絡みになったとたんに、一気に著者の興味が薄れてしまったのではないかと勘繰りたくなります。
 もっともこの古戀唄はあくまでも本編の過去話にあたり、本編を読むに当たっての人間関係の整理をする際の踏み台になるという部分はあるでしょう。
 とりあえず、終わってくれたのでもういいです。