マイケル・ジャクソン "THIS IS IT"

マイケル・ジャクソン THIS IS IT デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
映画も見に行きましたが、こちらも購入。
ロンドンで行なわれるはずだった、マイケル・ジャクソンのコンサート"THIS IS IT"のリハーサルの模様を収録・編集した映像作品。
50歳という年齢で衰えることのないイマジネーション、パーフェクトのさらにその上を求める姿勢、そしてそれらの上で作られる、世界中から「超一流」の人材と技術を結集させたこのコンサートの完成形を見たかったと思わせられる作品です。
コンサートの演出の随所に、マイケルの社会問題への意識の高さを反映しつつも、最高のエンターテインメント・ショーとなっただろうこの"THIS IS IT"というコンサートは、観客がそこに加わって初めて完成されるはずだったことを思うと、その一歩手前でマイケル自身が亡くなってしまった不幸を惜しまずにはいられません。
流れる曲はどれも知っている物ばかり、そして新たに制作された映像とそこに組み合わせるライブ・パフォーマンスの演出は、このリハーサル段階においてすでに極めて高いクオリティに達していると言えるでしょう。これだけのコンサートを作り上げるマイケル・ジャクソンは、アーティストとして決して「過去の存在」ではなかったのだなと改めて思う反面、彼の死がなければ、これほど多くの人がその事に気付くことも無かっただろうことは、なんとも皮肉なことにも思えます。
生前は何かと奇行ばかりがクローズアップされるマイケルでしたが、アーティストとしての彼のずば抜けたカリスマと格好の良さ、多くのファンを魅了するだけの存在感が、本作の中に見て取れます。
ダンス、歌、演奏、舞台演出の全てを分かっているからこそ作り上げることのできたこの"THIS IS IT"は、マイケル・ジャクソンという存在が、それらのツールの全てを自分自身で理解して、その上で自らを表現できる稀少なアーティストであったことを示しているといえるでしょう。