"Amaranthe" Amaranthe (2011)

アマランス
女性Vo.、男性クリーンVo.、男性デスVo.の3人のヴォーカリストに、ギター(+Key)、ベース、ドラムの6人編成のスウェーデン産バンド、アマランスのデビューアルバム。
それぞれ性質の違う3人のヴォーカリストの使い方やパートの配置などのバランスが抜群に良く、サウンドは、いかにもスウェーデンらしいモダン・メロデスに、ややパワー・メタルっぽさやポップな要素も加わったもの。アルバム全曲通してキャッチーで聴きやすく、(メンバーそれぞれにそれなりの経歴があるとしても)新人のデビューアルバムとは思えないほどに洗練されたアルバムとなっています。
強烈なオープニングチューンの#1 LEAVE EVERYTHING BEHIND で幕を開けるこのアルバムは、、バンドの特色であるトリプル・ヴォーカル全開の#2 HUNGER、祈りのような神々しさすらある#6の"AMARANTHINE"など、文句なしの名曲揃い。日本盤にボーナストラックとして加わった#13 "BREAKING POINT"もイントロ部分から格好良さ全開です。
そしてやはり特筆すべきはトリプル・ヴォーカルで、伸びやかなフィメールVo.と、高音に強い男性クリーンVo.、そしてそこに切り込むようなデスVo.のバランスがとにかく絶妙で、誰がメインというわけではなく、三者が必然的に存在して"AMARANTHE"が成り立っていると言えるでしょう。
この性質の違う3人のヴォーカルのインパクトばかりが全面に強く押し出されてはいる感もありますが、安定感があって力強いドラムとベース、そしてさり気にギターソロも格好良く、広くウケる要素を手堅く備えたバンドと言えるでしょう。
ただし、長く聴き続けるアルバムかと言う観点から聴いた場合、メジャーな音であるがゆえに飽きるのにも早い可能性も皆無ではなく、その辺りを含め今後の伸びしろはまだまだあるバンドかもしれません。