高校3年のクラス替えで、派手なギャルや不良といった、華やかな生徒の集まるクラスに入ってしまったシノは、存在感皆無で友達もゼロで地味。おまけに席は、見るからに不良といった感じの佐山の隣で、佐山の言動に怯えるシノでしたが、あるきっかけで彼と話すようになって、少しずつ周りとの関係も変わっていきます。
良くも悪くもマンガ的な作風。
「小説」として読むとなるとどうしても、地味で人と上手く付き合えないという主人公のシノの設定と、実際に佐山や限られた親しい友人と話す時や、彼女の暴走する妄想の一人称が生み出すキャラクターとの間のギャップには首を傾げる部分もあります。
ですがそういた部分も、いわゆる「マンガ」であれば何の気なしに読んでしまうようなところであり、主人公の女の子の暴走っぷりだの妄想っぷりだの妙なテンションのキャラクター含め、小説という媒体でここまでマンガの作風を再現できるのかというのは、ある種驚きと言えるかもしれません。