キリル・ボンフィリオリ 『チャーリー・モルデカイ1〜4』

チャーリー・モルデカイ (1) 英国紳士の名画大作戦 (角川文庫)チャーリー・モルデカイ (2) 閣下のスパイ教育 (角川文庫)チャーリー・モルデカイ (3) ジャージー島の悪魔 (角川文庫)チャーリー・モルデカイ (4) 髭殺人事件 (角川文庫)
 画商のチャーリー・モルデカイは、美術館からくすねることになったゴヤの絵画を発端に、それに関わったとある人物の写真のネガをめぐって、アメリカにいるとある富豪を暗殺するように命じられます。ボディガードのジョックとともに、スパイの仕事をさせられたり、結婚した妻から英国女王暗殺を命じられたり、小さな島で起こった事件を追ったり、母校で起こった殺人事件の捜査をすることになったりと、明らかに彼の能力と領分を超えた事態が次々に襲い掛かってくることとなります。

 映画化もされた、ブリティッシュ・ユーモアの怪作『チャーリー・モルデカイ』シリーズ。
 実はウッドハウスジーヴス・シリーズのようなテイストを期待していたのですが、基本的にこちらは長編のスパンで進行するにも関わらず、終始主人公チャーリーのぐだぐだな思考に沿って物語が展開するという作りの都合上、途中今ひとつ内容が頭に入って来づらい部分があったり、個人的にはとにかく読むのがつらくなって「長い」と感じてしまった一作。
 基本的に、主人公のユーモアを解さなければ面白いと思えない要素は多分にあるので、映画のイメージとはちょっと違って万人向けというよりは、ややマニア向けとも言えるのかもしれません。映画はその辺、キャラクターや要素の抽出やエピソードの選択・演出で面白く処理してあるんですかね。