堀川アサコ 『100回泣いても変わらないので恋することにした。』

100回泣いても変わらないので恋することにした。 (新潮文庫nex)

 地方都市の私立博物館で新人学芸員として働く手島沙良は、ある日公園で可愛らしい猫と一緒に、体長15センチの小さいおじさんを発見します。かつて私財を投げ打ってこの町に公園を作った槇原伝之丞という人物の幽霊だというこの小さいおじさんは、沙良に「自分が周りの人間にどう思われていたのか」を調べて欲しいと言い出します。沙良を捨てた身勝手な母親や、ワケアリのイケメンや、同僚と友人の間の恋愛模様を巻き込み、地元の有力者の殺人事件まで調査することになった沙良ですが…。

 『小さいおじさん』シリーズ第2弾。
 孤独な人にしか見えないという小さいおじさんこと、槇原伝之丞に振り回される主人公と、一癖も二癖もある地方の都市の住人達がコミカルに繰り広げる人間模様が、前作に引き続き本書でも楽しむことが出来ます。
 ひたすらおじさんを愛でるシリーズ。