[読了]レイ・ブラッドベリ 『塵よりよみがえり』

塵よりよみがえり

 ブラッドベリというと、高校生の頃に『火星年代記』、『恐竜物語』(これはほとんどがコミカルなイラストで構成された文庫だった記憶があります)くらいしか読んだ記憶がありませんし、内容そのものもほとんどうろ覚えだったりします。
 書店でこの『塵よりよみがえり』を見つけた時に目に止まったのは、実はブラッドベリの名前よりも帯に見つけた恩田陸の名前でした。読んでみて、なるほど、いかにも恩田陸が解説を書いているのが似合いそうな一冊だというのが印象でした。
 本書は、「ひいが千回つくおばあちゃん」が語る丘の上の屋敷に住む闇に生きる一族の中で育てられた、たった一人の少年が旅立つまでの物語です。ですがストーリーそのものよりも、文章から次々と湧き出るイマジネーションの豊かさがなんとも美しい情景を見せてくれる1冊でした。
 ところでこれ、表紙の絵がチャールズ・アダムスだったんですね。