伊坂幸太郎 『陽気なギャングが地球を回す』

 何かもっとクライム小説っぽい感じの暗いのを勝手に想像して去年は読んでいなかったのですが、物凄く痛快で面白かったです。
 「そんなご都合主義な」という設定や展開も、読んでいると不思議とそんな突っ込みどうでもよくなってしまう辺り魅力ですね。何より結末近くなって一気に行われる、さりげなく置かれていた伏線の回収が上手いです。
 会話のテンポもいいですし、キャラクターが物凄く愛すべき個性なんですよね。
 彼らは銀行強盗なのですから思いっきり犯罪者なのですが、彼らなりの正義だとか美学のようなものに物凄く好感が持ててしまいます。