ポール・ギャリコの『ジェニイ』へのオマージュ的作品。
『ジェニイ』を読んだのは随分昔なので話の筋なんかは随分忘れたのですが、ラストの切ない余韻のようなものは何となく覚えている作品でした。
西澤版『ジェニイ』とでも言うべきこの作品も、雰囲気が凄く好きです。中には動物虐待のようなシーンもあって、それはどうしても苦手なのですが、猫の体に入った主人公と犬のピーターとの会話の場面だとか、凄く好きですね。
全体的に西澤作品ならではの毒とでも言うべきものを感じさせる人物描写と、夢のある作品世界とが無理なく共存しているような感じでした。
ラストの切ないけれどちゃんと前向きなところとか、いいですね。