(リンダ・ハワード/へザー・グレアム/ペニー・ジョーダン)
クリスマスをテーマにした、3人の人気ロマンス作家の短編を集めた1冊。
リンダ・ハワード 『マッケンジーの娘』
ウルフ・マッケンジーとメアリの末っ子で唯一の女性であるメアリスの物語。
脳震盪を起こして目が醒めたら、男性とモーテルにいたメアリス。どうやら彼女が調教している馬を、保険金目当てで殺そうとする犯罪が関わっているようですが――といった話。
終盤、マッケンジー一族総出の場面はいきなりコメディですが、シリーズの中の短編というのはまぁそんなものかなぁという印象。
へザー・グレアム 『聖夜のウェディング・ベル』
子持ちの未亡人であるキャリーが、会社のクリスマスパーティで友人と従兄弟から、そろそろ再婚を考えることを仄めかされます。女友達からは「背が高く、髪が黒い、ハンサムなお金持ちの男性」がクリスマス・プレゼントに必要だと言われ、サンタの扮装をした従兄弟からは「ここを出て最初に出会った人が運命の人」だと「クリスマスの魔法」をかけられます。
そして、彼女は雇用主であるジェイソンと、息子を通じて思わぬクリスマス休暇を過ごすことに――。
まぁいかにもなタイトルでいかにもな展開ではありますが、話の持って行き方は非常にスムーズで上手いと言えるでしょう。盛り上げるべき箇所で盛り上げ、かなり手馴れた上手さを感じさせる一編。