高田祟史 『QED 龍馬暗殺』

 年末に京都へ旅行に行った時に新撰組の史跡とかもいくつか行ったので、実にタイムリーな1冊でした。大河ドラマの方は見ていませんが、新春にTVで放映していた『龍馬が行く』も最後の30分くらい見ていたので、本当にタイムリー。

 今回はQEDシリーズとしては、歴史の謎の解釈が割りと普通だったかな?という印象。
 トンデモ系に走りすぎても興ざめではありますが、龍馬暗殺の犯人としてはこれまでの説の上に乗っている範囲内だったので、かえって拍子抜けした感もあります。決して悪い意味ばかりではないですが、ちょっと着地の仕方が綺麗過ぎたのかなという印象でした。
 ただ、幕末という時代はこれまで取り上げてきた題材よりも身近な時代であるがために、縛りの部分もあったのかなぁという気はしますが。
 現実に起こっている事件との関連という部分では、どうしてもリンクの仕方が微妙な部分もありますが、現実の事件の謎解きの中にも歴史の影の部分が織り込まれていたのが良かったですね。実際に事件が起こっているまさにその現場での龍馬談義、龍馬暗殺と現実の事件のつながりがもっと密接なら良かったのに、と。ただしここに龍馬という素材を持ってくる必然性はあったのかと言えば、他のものでも良かったのでは?と思ってしまえる余地があるのが残念。

 でも龍馬とか新撰組とか、好きなのでもうそれだけで楽しめました。
 幕末にちょっとでも興味があれば割とすんなり楽しめそうですね。