京極夏彦 『続巷説百物語』

 前作の中に収録されている話と時間が前後しているものがあるんですね。
 その上こちらの『続〜』の方に収録されている話は、それぞれ連続性が強いです。勿論それぞれの話の中で一応は完結してはいるのですが。

 『後巷説百物語』が出ているのだからこれで終わりじゃないとは分かっていますが、何だかシリーズそのものが終わってしまったような最終話が少し寂しかったです。 
 社会の裏でもなく表でもなく、何となくどっちつかずにいる百介には正直そのままのポジションで居続けて欲しかった気もしました。
 それから「千代田のお城」での又市たちの仕掛けの話も、リアルタイムで読んでみたいなぁと思わされてしまいますね。『後〜』は百介が昔を回想するという形式っぽいですし。