金蓮花 『銀朱の花』


 もはや以前読んだこのシリーズの誰が誰だかタイトルと登場人物名も一致していないのですが、とりあえず「ああ、この主人公のは読んだな」程度の記憶は残っていました。
 同設定の世界で時代を変えることで確かにこの世界の歴史の流れは分かりますし、それぞれの主人公の個性の書き分けも為されてはいるのですが、どうも読み終わって思い返してみればまぁ良くも悪くもどれも癖が無いなという印象。ストーリーもキャラクターも確かに違うのに、読み終えて残る印象もどれも似たり寄ったりな弱さは指摘できるかもしれません。
 ただ、読後感の悪さもないですし、どれもあまり読み手を選ばずにサラッと読める読みやすさはあるでしょう。
 もっともサブタイトルを変えるだけで巻数の表示が無いので、読む順番を探すのに難儀はしました。