米澤穂信

ふたりの距離の概算
古典部シリーズ。
ラソン大会の行程の間というリミットを設け、突然入部を取り消した新入生の謎を解く構成が秀逸。
主人公の回想と、他3人の部員の証言を得ることで、ある名前までもを浮かび上がらせる謎解きの切れ味の良さが感じられます。ほろ苦い読後感も「らしい」一作。
恩田陸の『夜のピクニック』と、シチュエーションに共通点はあるものの、作風の違いが見事に出ているという気がしました。