伊坂幸太郎 『バイバイ、ブラックバード』

バイバイ、ブラックバード
久々に読後感爽やかな伊坂作品。
交際している複数の女性たちに対して、その一人一人に心底情を持って、彼女たちのために何かしたいと思う星野が、「だからあのバスに乗る羽目になる」と繭美に言われる「駄目さ」が、何とも愛しくすら感じさせられます。
さらには、他人の不幸が大好きで品もない醜女の繭美が、どこかコミカルでありつつも、最高に格好良いヒーロー(?)に思えてしまう、不思議な魅力に溢れる1作。