ダイアナ・パーマー 『富と愛』

富と愛
 かつて財産目当てだった婚約者に裏切られる失望を味わったニコルは、シカゴで社長をするジェラルド・クリストファーの一介の秘書として、富に頼ることなく自立した生活を送っています。ですが、ボスであるジェラルドが体調を崩し、モンタナの実家で静養することになり、彼に付き添って1ヶ月間ジェラルドの兄の牧場に身を寄せることになります。以前に裏切られて心にも体にも傷を負ったことで女、特に資産家の女性を憎むジェラルドの兄ウィンスロップに対し、ニコルは自分の素性については秘密にしておくことにします。

 過去の手酷い失敗で女性不信に陥った男と、一途なヒロインという構図からして話の筋はまぁ予想の範囲内ではありましたが、ニコルの父親の複雑怪奇なキャラクターが上手い具合にアクセントになっていたということは言えるでしょう。
 ぐだぐだ言っている割にはウィンスロップの崩れっぷりが見事な辺りも見所かもしれません。