9年前に結婚式の直前アントニアは、親友だと思っていたサリーの嘘によって父の友人であった男性との関係を疑われ、婚約破棄を言い渡されます。婚約者だったパウエルはよりにもよってサリーと結婚してしまい、傷付きながら故郷を去ったアントニアは、大学卒業後も故郷に帰ることなく、アリゾナで教師を勤めます。そして休暇で故郷の年老いた父親の元に戻っていたアントニアは、そこでパウエルに再会し、まだ自分の傷が癒えていないことを確認します。再びアリゾナへ戻ったアントニアですが、彼女は自分の体が病魔に蝕まれていることを知ります。残り少ない時間を少しでも父親の元で過ごしたいと思った彼女は、故郷で臨時雇いの教師の職に就きますが、クラスにはアントニアに対して敵意をむき出しにする、パウエルとサリーの娘がいました。
いったいどんな嘘をついたらころっと騙されるのかとか、中盤以降真実を知ったパウエルの手のひらの返しようだとか、力技のハッピーエンドにツッコミどころは色々ありますが、さらっと楽しむには手頃な1冊。
本書のスピンオフの『宿命のパートナー』はさらにヒロインの悲惨度が高いらしいですが、文庫になったら読んでみたいかもしれません。