揉め事処理屋を営む高校生の真九朗の元を、凄腕の同業者でもある恩人の女性が、九鳳院紫という少女のボディガードの仕事の依頼に訪れます。世界有数の大財閥の家に生まれた紫が何者に狙われるのかも、またあらゆる事情を聞くことも許されずに真九朗は少女と生活を共にすることになります。
ライトノベル特有の突飛で現実離れした設定にリアリティや共感を覚えられない部分はあるのですが、シリーズの１作目ということで、本作に見られる堀下げ不足や仄めかしだけに終わっている部分が今後描かれることで、こうした印象も変わってくるのかもしれません。
ただ、こうしたジャンルの小説にありがちな、様々なタイプのキャラクターをただ並べるような方式というのが、これ一冊を見るとどうも薄っぺらく感じられてしまうのは勿体ない気もします。
ですが、主人公と紫の関係という点について見れば、粗いなりに訴えかけるものもありますし、好感の持てる描き方と言えるでしょう。
