ARCH ENEMY "THE ROOT OF EVIL"

The Root Of All Evil

ギターのアモット兄弟率いるスウェーデンメロデス・バンド、Arch Enemy のファースト〜サードアルバムまでのセルフカバー・アルバム。
全13曲+日本盤にはカバー曲・ライブ音源を含んだ5曲をボーナス・トラックとして収録。

現在のヴォーカルのアンジェラ加入以前の"Black Earth""STIGMATA ""Burning Bridges"の3枚のアルバムが欧州などではあまり知られていなかったこともあり、ライブで演奏しても今ひとつ反応が薄いということで、新たにアレンジを加え、現在形のArch Enemy の音で昔のアルバムからチョイスした曲をレコーディングし直したもの。*1
前Vo.のヨハン派の初期のファンには、今回のアンジェラのヴォーカル・バージョンでは違和感を感じる可能性も少なからずあるものの、埋もれていた曲*2が現在のバンドの形で新たな魅力を備えて甦えったということは言えるかもしれません。
ヨハンのVo.と比較した際に、アンジェラのVoでは表現の幅や指向性が狭いという部分は否定できないものの、曲のリズムに忠実で安定して迫力を保ち続ける彼女のスタイルなりの良さも出ているのではないでしょうか。*3

*1:日本はデビューアルバムからそれなりの人気を博していたようですし、ライブでアンジェラ加入以前の曲を演奏しても既に十二分に盛り上がれているという部分で、このバンドにとっては非常に例外的な市場だった模様。むしろ現在でも、前のVo.のヨハンのほうが好き、という向きも多いようです。

*2:初期のアルバムからの名曲はまだまだありますし、個人的にはFIELDS OF DESOLATION辺りも入れて欲しかったところ。

*3:もっとも、オリジナルVer.と比べてどちらが良いか、というような聴き方をするアルバムでもない気はします。あくまでもこのアルバムは、ヨハン時代の曲を現在のメンバーでレコーディングし直した、という意味合いで聴かれるものでしょう。