菅野彰 『帰ってきた海馬が耳から駆けてゆく』

帰ってきた海馬が耳から駆けてゆく
 タイトルの雰囲気そのまんま、著者の思考だだ漏れをまんま文字に起こしたかのようなエッセイ。
 トピックごとにテキストを整理しようとしたりせず、話が脱線すれば脱線したままといったスタンスが、不思議と読みづらくないシリーズです。
 長年飼っていた愛猫との別れの後に飼うことになった二匹の姉妹猫とのエピソードや、著者の家族や友人たちとの読んでいて思わず笑ってしまうようなあれやこれやが、独特のテンポでもって語られます。