堀川アサコ 『おもてなし時空ホテル 桜井千鶴のお客様相談ノート』

おもてなし時空ホテル: ~桜井千鶴のお客様相談ノート~ (新潮文庫nex)

ひょんなことから友人が面接を受けようと思っていたホテルへと付き添いでやってきた千鶴。彼女は、亡くなったはずの老婦人があるパーティへ潜入して事件を起こそうとしているという事件に巻き込まれ、このホテルで働くことになります。ですがこのホテルは普通のホテルではなく、泊まるのはありとあらゆる時代からやってきた時間旅行者であり、ホテルは時空管理機構という組織の下にあるものだと言います。

いわゆるタイムトラベル・パラドックス的なものは、あまり気にしなくても良い、割とゆるーい感じの物語と思いきや、最後の章には壮大な歴史が絡んでいたりと、エンターテインメント性豊かで読みごたえある、それでいて著者らしいふんわりとした雰囲気の一作になっています。