海堂尊『ナニワ・モンスター』

ナニワ・モンスター

 下町の開業医の視点で進む新型インフルエンザのパンデミックと、その裏にある陰謀の物語だけで十分にひとつの物語として成立しています。
 後半は、著者自身がある種、大ホラ吹きのスカラムーシュとなって展開するユートピア論が主軸となっているため、ややブレた印象も。