鮎川哲也 『モーツァルトの子守歌』

モーツァルトの子守歌 (創元推理文庫)
 何とか今日中に読み終えたかった1冊。
 相変わらずオーソドックスでいながら鮮やか。そしてこれで三番館のシリーズも全て読み終わってしまったことが惜しいと感じる1冊でした。
 これまでとは違って、肥った弁護士が探偵の「私」に依頼し、事件に行き詰った主人公がバーテンに相談する、という図式から外れる物語も出てきましたね。私はレギュラーの登場人物が欠けていたり、物語の本筋に深く関わっていないと物足りなく感じることが多いのですが、不思議とこのシリーズではそういう不足感は全く感じませんでした。
 いい読書の時間を過ごさせてもらいました。