2005-01-28 読了 若竹七海 『死んでも治らない』 著者の得意な作品傾向という感じで、とても楽しめました。 各話は独立した短編でありながらも、その合間合間に挿入されている話が曲者で、ひとつの連作短編集に仕上がっています。 勧善懲悪でも無いし、犯罪者が必ずしも法によって裁かれないけれども、ひとつの筋が通っている、それでいてどこか軽妙でありつつも毒が混ざっています。この毒のさじ加減が若竹作品の魅力ですね。