エリス・ピーターズ 『修道士カドフェルシリーズ12 門前通りのカラス』

門前通りのカラス ―修道士カドフェルシリーズ(12) (光文社文庫)

そう言えば、サイトのほうでは9以降はテキストに起こしてなかったですね。
このところのカドフェルは、イングランドの王位継承の内乱の問題の方が大きくて、それを軸にストーリーが動いている感じです。

前回から一転して、女帝モードからスティーブン王に優勢が移り、人間関係がまた動いている中で、教区の司祭の人事まで動くという中で事件が起こっています。
冒頭では既にお亡くなりになっているアダム神父とか、彼を慕う人々、それからいつものシュルーズベリ修道院の面々も相変わらず個性的でいいですね。

ただ、事件の中での主要登場人物の構造だとかは既にパターン化しているので少々ツライところもありますし、事件の結末も何だか予想通りに綺麗過ぎる感じで収まってしまったなという印象。
それでもあのラストシーンの粋な感じは凄く好きなんですけどね。