フランスの歌姫ミレーヌ・ファルメールの２年ぶりのニューアルバム。
全10曲、実に「ミレーヌらしい」楽曲揃い。
これといった鳥肌モノの曲はないものの、1曲1曲のクオリティは彼女のキャリアを裏切らないクオリティですし、透明感のあるヴォーカルとメロディの美しさの調和は、「ミレーヌ・ファルメール」の世界そのもの。その世界の純度と言う意味では若干薄味に思える気もしますが、耳馴染みの良いアルバムに仕上がっていると言うことは出来るでしょう。
倦怠感をともない、悲壮で危さを感じさせる楽曲は、初期作品の雰囲気の延長線上にありますが、全体的に打ち込み系のピコピコしている音が多いのは、個人的にはちょっと残念。もっとダーク・エレクトロ色が濃くても良かった気はします。
限定盤のデジパックには、本アルバムから1stシングルにカットされたDegenerationのクリップが収録。
Hidden track のアヴェ・マリアは、透明感に溢れ、神々しさすら感じさせる歌唱が秀逸。エロティックなガジェットの散りばめられたアルバムの最後に隠されているのがアヴェ・マリアというのもまた意味深です。
ジャケットおよびブックレットの写真は、日本人の球体関節人形作家の三浦悦子の作品。こちらのアートワークも一見の価値ありです。（以下参考）
