DELAIN "WE ARE THE OTHERS"(2012)

ウィ・アー・ジ・アザーズ

元WithinTemptationのマタイン・ウェスターホルトが立ち上げたプロジェクト・バンドDELAINの3枚目のフルアルバム。
1作目ではマタインのプロジェクト・バンド的な色彩の強いゴシック・メタルと言った感のあったDelainですが、前作"APRIL RAIN" (2009)ではVo.のシャルロットが正式に専属Vo.としての存在感を発揮して、バンドの路線が固まったという印象。本作は確実にその路線の延長上であり、バンドとしての試行錯誤を経てさらに音に厚みを持って洗練された作品を持っての、満を持してのリリースなのでしょう。
所属レーベルとの問題が噂されたり、その関係もあって前作からメンバーの交替がかなりあった模様ですが、バンドのコンセプトに関わる中心メンバーであるマタインとVo.シャルロット・ウェッセルスは不動であるため、この新譜を聴く限り、これまでの路線からの大きなブレはありません。
ギターとベースのメンバーが交代した現在のメンバー編成では、ギターが2人に増えて全体で6人編成のバンドとなり、シンフォニックでキャッチーなメロディラインはそのまま、よりヘヴィな音になっていると言えるでしょう。
アルバムのライナーノーツによれば、タイトル曲の1フレーズ目にある「ソフィ」という女性の名前は、英国で07年に起きたHate crimeの犠牲者のものであり、Vo.のシャルロットが事件を知って衝撃を受けたことから生まれた一曲だそうです。そういう背景を知って初めて分かる部分もある作品かもしれません。
ボーナストラックは、ライブ・バージョンの5曲を収録。