横溝正史ばりの閉鎖的で因習の色濃い地域を舞台に起こる連続殺人事件。
冒頭の引き込みはまさに横溝正史的なテイストを感じさせるものの、その後の展開は若干冗長であったり、犯人が明かされる段でのサプライズが今ひとつ薄かったりと、食い足りなさのようなものも感じられます。
幻想性を盛り込もうとした部分もあるものの、様々な要素を詰め込み過ぎた感も否めず、逆に未消化さゆえに結末での呆気なさを感じてしまう部分は否定できませんが、本作がデビュー作であることを思えば今後を期待できる意欲作であるのは事実でしょう。