森崎朝香 4冊

『雄飛の花嫁 涙珠流転』『天の階 竜天女伝』『翔佯の花嫁 片月放浪』『鳳挙の花嫁』

雄飛の花嫁 涙珠流転天の階 竜天女伝翔佯の花嫁 片月放浪鳳挙の花嫁

 何でもかんでも漢字世界のファンタジーを安直に「中華ファンタジー」として世に送り出すのは正直どうかとも思うのですが、これは若い女性向けライトノベルにしては難しい試みをした作品であるのは確かでしょう。
 全て同一世界の架空の歴史上の、それぞれは一応独立した物語ではあるのですが、その実歴史群像劇としての側面が強い作品群です。
 各作品の主人公達は、一応の個性付けはされているものの、境遇や設定には基本的なところでは似通った所も多いとはいえ、以降もシリーズが続くことを考えれば、どこまで書き続けるのか、あるいはどのような歴史を描いていくのかで、今後いくらでも評価の変わるものなのかもしれません。これらの群像劇が、最終的には全ての伏線を拾って収束出来るなら、それはそれという気はします。
 ただし、『天の階 竜天女伝』では、もっと多くのボリュームを割くべき群像劇を1冊に纏めてしまったことが裏目に出て、複数の主人公達のいずれにも感情移入や共感をするに至らない浅い書き方になってしまった側面も指摘出来るかもしれません。