2005-01-01から1年間の記事一覧
日本で紹介されるアルテの作品としては4冊目、ツイスト博士のシリーズとしては3作目です。 第1作の『第4の扉』から、「フランスのカー」という紹介の仕方をされてきたアルテですが、今回もまたカーの、あるいは本格ミステリの古典の持つ雰囲気というのを…
ひと言で言えばミステリ仕立てのライトノベルということなのでしょうが、ミステリとして読んだ時にはやはり少々ツライ部分はありますね。密室殺人の謎に関しても、どうにも展開に無理がある部分は若干感じられます。 また、メインである幽霊船の事件での殺人…
スティーブン・キングの作品を意識した恩田作品と言うことでは、本作のほかに上と外も『グリーン・マイル』を意識していた記憶があります(もっとも、あれは分冊隔月刊行という形式だけでしたけれども)。 本作ではキングの『ファイアスターター』や70年代の…
講談社のミステリーランドのレーベルの謳い文句である「かつてこどもだったあなたと少年少女のための――」という部分で、麻耶雄嵩がどんなふうに子どもも読むことのできるミステリを書くのかと、非常に楽しみにしていた1冊です。 読んでみると、子どもの視点…
これまでの米澤作品と違って、主人公は成人男性。順風満帆の安定した人生のレールからはドロップアウトした、自ら"リハビリ中"と称するような少々斜に構えて、あまりやる気の無い、犬探し専門の探偵です。 それがひょんなことから専門外の依頼を2件も受けて…
桜庭一樹 『GOSICK』 富士見ミステリー文庫 ポール・アルテ 『カーテンの陰の死』 早川書房 桜庭一樹は名前だけは色々なところで見かけていたのですが、来月のミステリ・フロンティアのラインナップに名前があるのを見て、その予習をかねての購入です。 アル…
第133回直木賞受賞作。 直木賞の候補にあがるちょっと前から、ネットの中では割と評判の良い1冊だったので気にはなっていましたが、賞のお陰で本屋では随分と平積みにされていますね。 中身は6篇の独立した短編集なのですが、これらの話の間に直接の繋がりは…
シリーズ作品では毎回、事件の謎の解明という要素の他に事件の中で出会った若い男女のロマンスという要素が物語を面白くしているのですが、今回は事件そのものが殺人事件、異端審問、失われた書物と、非常に魅力的な要素の多い話でした。 特に中世の教会とい…
↑の、ノベルズ版『姑獲鳥の夏』の豆ノベルズが、映画の劇場窓口の前売りを買うと付いてきたそうです。 私はまだ行ってないのですが、妹が前売りを買って行ったということで、お土産に豆ノベルズを持ってきてくれました。 かなり忠実に再現してあって、刊行当…
浅暮三文 『ぬ』 光文社文庫 朱川湊人 『花まんま』 文藝春秋 麻耶雄嵩 『神様ゲーム』 講談社 米澤穂信 『犬はどこだ』 東京創元社 久し振りに荷物が重くなったと思ったら、出先で地震に遭い、電車が止まりました…。
こちらは絵本なのですが、このチャールズ・アダムズという人は、アダムズ・ファミリーで有名な人気漫画家だそうで。 訳が山口雅也だからという理由で買ったのですが、絵の雰囲気も独特のマザーグースのブラックな部分を表現していて、多分マザーグースの中の…
『アリア系銀河鉄道』、宇佐見博士のシリーズの1冊目です。2冊目にあたる『ゴーレムの檻』を先に読んでいたのですが、あちらの方が個人的にはスッキリと読めました。 短編集なのですがどうも1作1作が難解で、科学的な論理性に基づいた思考法というものに…
一冊消化してまた一冊買ったので、積読数はプラスマイナス・ゼロ。
『空の中』『海の底』で読者層を広げた有川浩のデビュー作。 電撃文庫なだけあって、こちらの方が「普通のライトノベル」色は強いですね。 ただ、純粋なライトノベル読者がこの作品を読んだ時には、巷に溢れるライトノベルの分かりやすさ、息をもつかせぬ展…
2001年に刊行された『氷菓』、続いて2002年の『愚者のエンドロール』に続く古典部のシリーズの3作目。勿論前2作とは完全に独立した物語として楽しめるのですが、繋がっている部分も大きいので刊行順に読んだ方が楽しめるのは確か。 物語は、手違いで大量に…
グラディス・ミッチェル 『ソルトマーシュの殺人』 国書刊行会 ルブラン 『怪盗ルパン4 奇巌城』 ポプラ社 〃 『 〃 813の謎』 〃 チャールズ・アダムス/山口雅也 訳 『チャールズ・アダムスのマザーグース』 国書刊行会 有川浩 『塩の街』 メディアワークス…
昨日購入した1冊をカウントし忘れ。結局今日の分で積読数は変わらず。
10篇の短編が収録された恩田陸の短編集。 勿論独立した短編としても読めますけれども、それまで他の恩田作品を読んでいない人がパッと手にとった場合はどれだけ楽しめるのか少々疑問もあります。ただ、非常に恩田陸の先鋭的な部分の凝縮された短編集だという…
久々の古典部のシリーズです。本書の刊行に合わせたのか、以前にスニーカー文庫ミステリ倶楽部から刊行されていた同シリーズの『氷菓』『愚者のエンドロール』も新装丁で出直したようですね。ただしこちらはいまだに書店では見かけませんが。(もっとも変わ…